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しのばず自然観察会ニュースレター2010年分

しのばず自然観察会より 2010-10 2010.12.05

2010年12月の活動 その2 不忍池水鳥調査

集 合 12月26日(日)午前8時45分 
不忍池弁天堂横藤棚下(蓮池に突き出したところ) 雨天実施
持ち物 筆記用具、双眼鏡、弁当、飲み物、雨具、敷物、カウンター
交 通 京成線上野駅または地下鉄千代田線湯島駅から徒歩5分、JR上野駅から徒歩10分。

 年末の26日(日)ですが、がんばって調査をしましょう。カモ類の減少は止まるのでしょうか?カワウは追い出されたのでしょうか?珍鳥はいますか?・・・

カウンター(数取器)がない方は小川までご連絡ください。集合時に分担を決め、動物園が開園する9時30分にいっせいにカウントを始めますので、遅刻をしないように。

動物園入園料(600円)はしのばず自然観察会で負担します。なお、65歳以上の方は割引(480円)となりますので、年齢を証明するものをご持参ください。

不忍池の調査終了後、動物園の東園に移動し、五重塔水路で水鳥調査をし、そのあと谷中の小川作業所で1月の準備作業をします。

2011年1月の活動は、

1月9日(日)新春恒例の公開行事、上野公園・不忍池野外観察会です。お誘い合わせの上、お越しください。

会員集合 1月9日(日)午前9時(非会員は9時30分)  雨天実施
JR上野駅公園口前(緑の旗が目印)
持ち物  筆記用具、双眼鏡、弁当、飲み物、雨具、敷物

公園の改修で、ボードワン像のあたりが通れませんので、コースの変更が必要です。例年通り、水質の簡易測定を準備します。荷物の分担、受付など、ご協力ください。


高尾山天狗ハイク 2010.10.31 より

 昨年から始まった、高尾山の圏央道反対アピールのための天狗ハイクは、あいにくの雨もようのなか、実施されました。夜来の雨がほとんどあがったとはいえ、高尾山口の集合点では、ポツポツの降り、それでもしのばず自然観察会の会員は4名が集まりました。実行委員会が用意したアピール用のTシャツを羽織って出発、沢沿いに山頂を目指しました。

エイザンスミレのさやに種子が残る山

 お天気のせいで、紅葉シーズンの始まりにもかかわらず、高尾山はガラガラ、山頂から沢への下山はこの終末から通行止め、上り専用になっていましたが、そこを下ってくる人が邪魔にならないくらいでした。途中から一時、雨脚が強くなりましたが、暑くなく寒くなく、歩くにはまあまあの陽気でした。

山頂を巻いて、いろはの森コースを下山、日影沢に出るところで、伊東さんの案内でレモンエゴマの穂状の花序を触って、レモンに似たにおいを堪能しました。下山中、スミレ類の閉鎖花が開いているのが見つかりました。はれていれば、さやがはじけて種子は飛んでしまうのですが、この日は雨のため、開いたさやにびっしりと種子がついているのが見られ、なんとなく得をした感じでした。

日影沢園地での集会には、東京や神奈川から、自然保護 エイザンスミレのさやに残る種子

・道路反対運動の仲間約100名が集い、環境の重要性を確認しました。


上野公園観察会 2010.11.14 より

 散歩日和の日曜日、19名が集いました。地下鉄千代田線湯島駅から地上に出るとすぐ不忍池です。キンクロハジロ、オナガガモ、カルガモ、マガモなどが岸辺を泳ぎ、オオバン、コサギなども近くで見られました。でも、それらよりも目を引いたのは紅葉の美しさ、それに大きなコイたち。
 台地上ではアメリカデイゴの花が残り、タラヨウの赤い実が印象的、カヤの実のツーンとするにおいも。       

博物館前の噴水周辺の改造工事が始まり、まず西    タラヨウ(葉書の木)

側のボードワン像がある樹林が塀で囲われてしまいました。園内唯一の土の上を歩ける園路が、チップ道路になるほか、博物館前のケヤキ並木も失われそうです。秋から春の落葉樹のたたずまいは囲いの間から見おさめのようです。また旧水路の水源地帯の地形は残るのでしょうか。最近の造園設計家には、景色を保存・継承する発想がないのでしょうか。


しのばず自然観察会より 2010-09 2010.11.14

2010年12月の活動 不忍池水鳥調査練習と水鳥観察

集 合 12月5日(日)午前10時 東京メトロ千代田線湯島駅根津寄り改札口 
持ち物 筆記用具、双眼鏡、弁当、飲み物、雨具、敷物、カウンター
参加費 200円                    小雨実施
交 通 JR御徒町駅からも徒歩5〜10分です。

 年末12月26日(日)の不忍池水鳥個体数調査の練習(次号で案内します)と、鳥をじっくり見る体験をします。カウンター(数取器)がない方は小川までご連絡ください。なお、この日、台東区ジュニア駅伝大会があり、不忍池の園路の交通が不便となります。


10月の活動 水元公園散策 より

10月の観察会は10日(日)、夜来の雨で、行事中止と思ったところ、午前9時ころに小雨となったので、集合地に向かいました。金町駅改札口に、それでも総勢7名が集い、せっかくだから行ってみようと、バスで桜土手まで行きました。小雨がほぼ止んで、静かな公園を歩きました。キンモクセイの落花が道をオレンジ色に染めて幻想的でした。
旧東京都水産試験場の池で、浮葉の間から多数の黄色い蕾が突き出ているのが見えました。閉じているのと遠目だったのではっきりしませんが、アサザでしょうか。こんな季節に?金魚池でさまざまな金魚の品種を見て感激。その周りの池では、オニバスの葉が枯れかけていて、取り上げて裏返すと、花のあとも見られました。また、ミソハギの花が残り、デンジソウが群がったり、ガガブタの小さな花も見られました。   
水辺にアオサギやマガモ、コサギがいて、驚くほど近づいたこともありました。つりをする人も徐々に姿を見せました。岸の上に魚がいてびっくり。じつは外来魚のブルーギルで、除去のため捕獲をしたものでした。


2011年1月の活動は、

1月9日(日)新春恒例の上野公園・不忍池野外観察会です。


2010年11月の活動  上野公園散策

集 合 11月14日(日)午前10時 東京メトロ千代田線湯島駅根津寄り改札口 
持ち物 筆記用具、双眼鏡、弁当、飲み物、雨具、敷物
参加費 200円                    小雨実施
交 通 JR御徒町駅からも徒歩5〜10分です。

 春に続いて、上野公園の縦断コースをめぐり、秋探しをします。しのばず自然観察会が2006年につくった上野公園ガイドマップを増刷したので用意します。


9月の活動 東大小石川植物園散策 より

9月の観察会は19日に、東京大学大学院理学系研究科附属植物園(小石川植物園)散策を19名の参加で行いました。暑い日とはいえ、風が心地よく、いよいよ悪鬼になるなあと感じさせる日でした。園内のあちこちで、ヒガンバナがつぼみをあげ、花が開いた個体の前にはカメラをセットした人が張り付いていました。

プラタナスの大木がそびえ、3種類の見分け方が書いてありましたが、葉の形で2つには区別できるものの、3つ目の区別がうまくできません。イチョウ、カリンのまだ青い実がたわわにみのっていました。
分類植物園の一角にウマノスズクサ(馬の鈴草)類を集めたコーナーがあり、葉の裏と表には、この植物類の葉を食べるジャコウアゲハの幼虫や卵が見られました。野鳥はあまり見られませんでしたが、上空に、カラスに追い上げられたオオタカが、高く遠く舞っていました.


               高尾山にトンネルをほらないで!

高尾山天狗ハイク2010 今年は10月31日(日)です(雨天実施)

しのばず自然観察会の集合は、9時15分、京王線高尾山口駅改札前です(緑の旗が目印)
京王線新宿発8:10準急行八王子行きで北野駅乗り換え高尾山口駅9;14着。JRだと、新宿発8:14ホリデー快速河口湖行きかそれ以前の列車で、高尾駅着8:59で上記京王線電車9:11に乗り換え。
 行事全体の受付を、9時30分より駅前で行います。参加費は高尾山メッセージTシャツ付で1000円です。ご協力ください。午後の交流会は日影沢キャンプ場で14時から15時です。

昼間のコースですが、@ケーブルカーまたはリフト利用でブナの大木を見て、頂上手前で日影沢へ下山、A前の沢・琵琶滝から登って@へ、BAのコースを経て、頂上からほんの少し戻って日影沢に下山などから、当日のメンバーの様子を見て決めます。数人ずつで、コースを分散してもよいと思います(14時日影沢キャンプ場集結)。山登りをしない方は、14時に直接集会場へ。高尾駅北口から小仏行きバスで日影下車、徒歩20〜30分です。

東大田無農場・演習林を道路建設から守るために、署名に協力を!

 運動のかいあって残った東大の田無農場・演習林ですが、都市計画道路の建設を前提に、東大当局は一部の敷地を売却する計画を検討しています。オオタカの営巣地やマヤランが生える敷地を分断する道路建設に道を開く売却計画が実現しないよう、「田無3・4・7を考える会」が東大当局への署名運動をしています。別紙要請書に署名して、「考える会」に送ってください。なお、別紙は葉書にするには薄すぎるので、切り取り線で切り取って、あて先面もそのまま一緒に封書で80円切手を貼って「考える会」に送ってください。署名簿は、人数が埋まらなくても結構です。お一人でもお二人でも、送ってください。  (別紙は省略)                                       (小川 潔)

「考える会」の連絡先は、郵便188-0011 西東京市田無7−10−16−208

    藤川和子 方  電話 042−461−0188


12月、1月の予定は例年通り、不忍池の水鳥調査と公開観察会 です。10月または11月の活動の折に、日程を確認します。


しのばず自然観察会より 2010-08 2010.10.10

2010年11月の活動  上野公園散策

集 合 11月14日(日)午前10時 東京メトロ千代田線湯島駅根津寄り改札口 
持ち物 筆記用具、双眼鏡、弁当、飲み物、雨具、敷物
参加費 200円                    小雨実施
交 通 JR御徒町駅からも徒歩5〜10分です。


しのばず自然観察会より 2010-08 2010.09.19

2010年 10月の活動  水元公園散策
 
集 合 10月10日(日)午前10時 金町駅改札口 小雨実施
持ち物 筆記用具、双眼鏡、弁当、飲み物、雨具、敷物、バスを利用します
参加費 200円 
交 通 JR常磐線(東京メトロ千代田線)金町駅下車。南口4番バス停で50、52、54系統バスに乗車(バスは10分に1本くらいあり)、桜土手下車の予定。京成電鉄金町線京成金町駅は南口のすぐ前です。 

久々に水元公園に、秋を探しに出かけます。夏にはオニバスやアサザが咲いた旧水産試験場跡から水元公園を縦断、参加者の様子を見て、適宜、帰路を取ります。

 8月の活動 自然教育園散策より

8月の観察会は8日に、自然教育園散策を21名の参加で行いました。曇りがちでしたが暑い日、キツネノカミソリのオレンジ色が印象的でした。長い間伐採をしていない樹林では、太い太いコナラの大木がそびえ、雑木林の木とは異なる樹形を見せていました。
この日の観察会には、八王子・高尾から、吉山寛さんが参加されました。吉山さんによると、自然教育園は戦争遺跡でもあるとのこと。それは、園内の湿地に生えるヤナギ類を炭にして黒色火薬の材料としたからです。子ども時代を自然教育園の隣で過ごしたという会員からは、壊れた柵をすり抜けて、園内でよく遊んだという話も披露されました。

 高尾山トンネル天狗訴訟 一審で道路建設容認判決

高尾山の自然を壊し、多摩地域の生活を破壊する圏央道(首都圏中央連絡道路)の高尾山部分について、自然の権利訴訟のひとつでもある高尾山天狗訴訟(原告団長:吉山寛さん、しのばず自然観察会の小川潔・小川千恵子も原告になっています)の一審判決が9月1日にあり、東京地裁は被告である国の主張を全面的に受け入れ、道路建設は自然より有益だという判決を出しました。小川潔は昨年5月に原告側証人として出廷して自然の代弁をし、今後の環境裁判の模範となる判決を求めましたが、そうした視点は微塵もありませんでした。原告は即時、高裁へ控訴しました。より多くの人が関心を持ち、自然より赤字道路のほうが有益という論はおかしいと声を上げることが大切です。

高尾山天狗ハイク 今年は10月31日(日)です 次号の通信で案内します


しのばず自然観察会より 2010-07 2010.08.08

2010年 9月の活動 東京大学大学院理学系研究科附属植物園(小石川植物園)散策

集 合 9月19日(日)午前10時 小石川植物園正門内側  小雨実施
持ち物 筆記用具、双眼鏡、弁当、飲み物、雨具、敷物(園内に売店はありません)
参加費 200円 
ほかに入園料(330円、高齢者割引はありません)
交通 地下鉄丸の内線茗荷谷(みょうがだに)駅より徒歩約25分または、都営三田線白山駅より徒歩約20分、都営バスでJR大塚駅南口← →根津(上野公園)より白山2丁目(共同印刷前)下車徒歩2分(大塚駅前発9:40、根津駅前発9:09、9:42)

 久々に小石川植物園に、初秋を探しに出かけます。「世界最大の花」騒ぎもおさまって、普段の植物園に戻っているでしょう。


7月の活動 新宿御苑散策より

 7月の観察会は11日に、新宿御苑散策を21名の参加で行いました。暑い暑い日でしたが、元気に樹林地や草原を歩きました。広々とした園内に大木が自由に伸びていました。普段、街路樹でお目にかかる、いじけたプラタナスが、ここでは天をつくような高さで、数人で手をつないでやっと届く太さになり、別の種類の木ような顔をしているのが印象的でした。これがプラタナスの本当の姿かも知れません。そびえるヒマラヤスギ、筍(たけのこ)のような気根を地面から出す落羽松(ラクウショウ)も圧倒される大きさでした。
 池では大きなミシシッピーアカミミガメとスッポンがいてびっくり、でも在来種のクサガメも健在でした。閉じ始めたカラスウリの花が、涼味を添えていました。


 市民活動資料センター基金に寄付をしました

 1970年代に都立立川社会教育会館内に設立された市民活動資料センターは、その後、知事が代わって廃止され、市民の力で資料収集が続けられてきました。何とか自前で場所を確保したいと、情報センターをつくる基金募集が始まりました。しのばず自然観察会は初期のころから会報(当時)や通信を送って、保存や閲覧をしていただいてきました。そこで、わずかですが、基金に寄付をしました。1970年代にお目にかかった当時非常勤の担当職員だった山家利子さんのサインでお礼状が届きました。
 なお、同様に1970−80年代に市民運動の資料収集を続けた住民図書館も、個人での維持が続けられず、埼玉大学共生社会教育センターに引き継がれてきましたが、このほど立教大学共生社会研究センターに資料が移管されることになりました。立教大学共生社会研究センターの英断に感謝したいと思います。地方自治体や国立大学の社会教育・市民活動分野の弱体化が、期せずしてこうした二つの動きとなったわけで、政治の貧困・危機を感じます。(小川潔)


しのばず自然観察会より 2010-06 2010.07.11

2010年 8月の活動 国立科学博物館附属自然教育園散策

集 合 8月8日(日)午前10時 国立科学博物館附属自然教育園正門前
雨天実施
持ち物 筆記用具、双眼鏡、弁当、    
飲み物、雨具、敷物(園内に売店はありません)
参加費 200円 
ほかに入園料(200円、65歳以上は無料なので証明するものを提示)

 2006年7月に訪ねた自然教育園に、今年は真夏の散策です。博物館の生きたフィールド展示場として守られてきた武蔵野の面影を満喫しましょう。園は天然記念物にもなっています。

交通 JR目黒駅から徒歩10分 または地下鉄(東京メトロと都営)白金台より徒歩5分

6月の活動 上野公園より

6月の観察会は6日に、上野公園自然と歴史的環境めぐり(公開観察会)を19名の参加で行いました。不忍池での水鳥の繁殖は今年も見られませんでしたが、上野台地の文化遺産や緑を楽しみました。ピンオークの幹の樹液は、近づくと何か香りがしました。しかし下見のときとは違って、なめても甘くないのです。アルコール発酵したのではないでしょうか。


しのばず自然観察会より 2010-05 2010.06.06

2010年 7月の活動 新宿御苑散策

7月11日(日)10時30分 JR千駄ケ谷駅改札口前集合 小雨実施
(都営地下鉄大江戸線国立競技場駅からも1分)
参議院議員選挙がある可能性が高いので、集合をいつもより遅くしました。1972年の国連人間環境会議以来、反核・平和の実現と貧困・差別をなくすのが、国際レベルでの環境および環境教育のテーマです。環境保全の一票を行使してから参加してください(期日前投票も可能)。
持ち物 筆記用具、弁当、飲み物、雨具、敷物、双眼鏡
参加費 200円

雨の季節ですが、都心の植物園でもある新宿御苑を訪ねます。雨のたたずまいを楽しみましょう。でも、晴天かも!?


5月の活動 上野公園下見調査より

5月の観察会は16日に、6月の上野公園公開観察会の下見調査を13名で行いました。

普段は気が付かないクスの見も花をじっくり見たり、ピンオークの樹液を味わったり、のんびり歩きました。近くにあるヒメオドリコソウを見比べて、在来種のオドリコソウは立派ねえと感心したり、不忍池では水鳥の繁殖が見られないのを心配したり、下見はじっくり観察したり、感性を磨く絶好の機会です。


しのばず自然観察会より 2010-04 2010.05.16

2010年 6月の活動 上野公園・自然と歴史的環境めぐり

6月6日(日)会員は午前9時(一般 9時30分)、JR上野駅公園口前集合 雨天実施
環境週間恒例の公開観察会です。一般参加者は9時30分集合ですが、会員は準備のため、9時集合です。資料整理の作業や受付担当にご協力を。
持ち物 筆記用具、弁当、飲み物、雨具、敷物、双眼鏡
参加費 300円


4月の活動 不忍池・上野公園から谷中霊園散策より

天気予報がよい方向にずれて、暑いくらいの晴天となり、12名が参加しました。寒い3月―4月の低温のせいで、例年になく桜の花が長もちし、私たちも予期せぬお花見が楽しめました。不忍池では、岸よりのハスが刈られた水域にキンクロハジロが目立ち、オナガガモは1つがいのみ。カモはほかにハシビロガモが目立ち、ヒドリガモ1つがい、カルガモ1羽。見通しがよくなったアシ原にはゴイサギ、バン、オオバン。枯れハスの間にダイサギとアオサギ。ハスやアシが刈られて、見通しがよくなり、鳥を見つけるのには楽になりました。しかし、バンなどの繁殖場所を狭めるのは明らかで、他の鳥の隠れ家をなくす、アシ原の劣化を招くなど、危険もついて回ります。

1970年代に不忍池のアシやハスを除去するかどうかの論争があったとき、鳥の愛好者が自然のままがよいと除去反対を主張し、観察会もこれを支持して除去は見送られました。昨今、アシやハスが邪魔だという声がまた大きくなっていますが、鳥の愛好者の中に、除去を求める声が高まっているのが気になります。鳥が見やすければよいという自分本位の考えではなく、自然のために何がよいかに思いをめぐらしてほしいものです。

不忍池では、ハス刈が1980年代より岸辺から10〜20mの範囲で毎年行われていますが、自然らしさを保つために、できるだけ遅らせるように観察会が申し入れ、水鳥観察会が終わった後の1月下旬以降に実施するようになりました。

上野の山の斜面ではオドリコソウを確認しました。寒い春を反映して、こちらも花がやっと1〜2輪、薄いピンクの花がほとんどですが、なかに白花の個体がありました。近くに生える外来種のヒメオドリコソウとの対比ができました。

東京国立博物館の前庭には、ぐるりと目隠しが張られ、また工事が始まり、庭の植物が犠牲になります。裏庭のほうは工事区域ではないらしく、外から中の植物が見られました。ニリンソウが小さなかたまりで数箇所に残っていましたが、かつてこの庭いっぱいに咲き誇っていたのを思うと、惨めさを感じました。カントウタンポポも少しありました。先月、裏高尾で見たムラサキケマンが咲いているのを見つけた人もありました。

寛永寺境内を抜けて谷中霊園へ。千葉県からきたという行商の小型トラックで野菜や草もちを買って、鉄道沿いのいつもの花見場所で昼食となりました。花吹雪の下でゆっくりと食事・歓談。その後の移動途中で、白い蝶が目立ちました。これらはツマキチョウ、近くにきたときに翅のつまさきのオレンジ色を確認、その直後にクモがツマキチョウを捕まえているのを見つけ、チョウの色に感嘆したり、クモの早技に感心したり。次の目当てのニリンソウは、花を見るにはちょうどよいタイミングでした。崖のよう壁工事をしたところでは、残した区画部分だけにニリンソウが咲いていました。もう1箇所のニリンソウは面積は狭いものの、花がたくさんありました。ここも、ごみ捨て場にされたり、いずれは崖の補強工事にさらされる予定です。ほかの区画に移植して増やすかどうか、今後の課題です。【後記 期間限定の東京国立博物館裏庭公開に行ってきました。裏庭は期待はずれ、一方で前庭の多くの部分で、カントウタンポポが復活していてみごとでした。  (小川 潔)


しのばず自然観察会より 2010-03 2010.04.11

2010年 5月の活動 上野公園下見調査 雨天実施

集 合 5月16日(日)午前10時 JR上野駅公園口前
持ち物 筆記用具、弁当、飲み物、雨具、双眼鏡、敷物

6月の公開観察会の下見です。下見は、単にコースを歩くだけでなく、私たちのフィールドの知識・体験を確認し、会員同士で共有化する機会です。また、観察会の実施計画を立てていく過程です。

終了後、谷中の小川作業所で通信の発送作業と、6月の公開観察会の打ち合わせをします。


6月の活動 上野公園・自然と歴史的環境めぐり 予告

6月6日(日)会員は午前9時、JR上野駅公園口前集合 雨天実施
環境週間恒例の公開観察会です。一般参加者は9時30分集合ですが、会員は準備のため9時集合です。詳細は次号の通信にて。


タンポポ調査2010(南多摩)のご案内

今年もタンポポの花が咲く季節となりました。南関東におけるタンポポ調査は1980年代より10年ごとに行われてきました。そして、今年で4回目・30年目を迎えます。今年は多摩丘陵を中心とした南多摩地域で、これまでのタンポポ調査と同じ地点を訪ね、これまでとの比較をする計画です。
今回の調査では、「在来種タンポポ」と「外来種タンポポ」、「雑種性タンポポ」の3つに区分し、従来のタンポポ調査との比較をします。また、雑種と純粋の外来種との識別を、外部形態によって野外の現地で行うことはむずかしいため、できるだけ実(種子)も集めて、採ってきた花や実(種子)を分析して判定します。3つの区分は難しいのですが、練習によってある程度識別可能となることがわかっています。
今回は、識別練習をした方に、本調査をしていただくことにしました。練習の日程は「しの                                
ばず自然観察会」のホームページのうち「自然保護情報」のページに掲載してありますので、可能な日に参加してください。

  タンポポ調査2010 連絡先 E-mail: ogawa@u-gakugei.ac.jp

〒184-8501小金井市貫井北町4-1-1東京学芸大学教育学部環境科学分野 小川潔研究室

詳しくは、しのばず自然観察会のホームページ3ページ目「自然保護のページ」で見られます。


3月の活動 裏高尾お花見ハイキング より

月の活動は、3月28日、裏高尾の小仏川沿いの小道を歩くお花見ハイキングに14名が参加しました。あいにくの曇り空でしたが、なんとかお天気が持ちました。3月になって、寒い日が続いたせいか、イチリンソウ、ニリンソウなどの花はほとんどがまだでした。一方、昨年は終わってしまっていたヒメニラの花が見られました。曇天で、花はほとんどが閉じていましたが、かろうじて花の中をのぞけるものがありました。期待した、おしべを持つ個体は見つかりませんでした。ヒメニラは、山梨県内の例などを除いて、おしべを持たない個体がほとんどで、種子ができず、球根で増えるので、遺伝的多様性が失われかねない問題を抱えています。

少し寒い日でしたが、昼食を裏高尾の峰尾章子さんのお宅でとらせていただきました。章子さんの亡くなったご主人である幸友さんは、農業高校の先生をされ、裏高尾圏央道反対同盟の事務局長を務めた方です。お宅の庭は、幸友先生のお弟子さんがつくったコケと飛び石の趣きあるものでした。


しのばず自然観察会より 2010-02 2010.03.06

2010年 3月の活動 裏高尾お花見ハイキング 雨天中止

3月の活動は、昨年4月と同じく、裏高尾の小仏川沿いの小道を歩くハイキングです。昨年はイチリンソウ、ニリンソウ、ミミガタテンナンショウ、ハルリンドウ、ヤマブキなど、多種多様な花が見られました。今年は昨年より2週間ほど早いので、ヒメニラも見られるでしょう。八王子城址の丘を挟んだ恩方では、おしべ・めしべをひとつの花の中にそなえた両性花の個体が、圏央道建設以前には見られました。南側の裏高尾では、そういう個体があるでしょうか。ヒメニラは、ほとんどの個体がめしべだけの単性花をつけます。圏央道建設の際の環境アセスメントでは、恩方のヒメニラの希少性・学術上の価値を訴える意見に対し、「まだ解明されていないから価値は定まらない、だから工事してかまわない」と退けました。

当日は高尾駅から徒歩2時間くらいです。物足りない方は、ブナに会いに高尾山へ蛇滝コースを登るのもよし、足の調子と相談してお決めください。途中トイレがないので、高尾駅前(北口改札を外へ出て左手30秒)で済ませてください。

集 合 3月28日(日)午前9時30分 JR・京王線 高尾駅北口前 
持ち物 筆記用具、弁当、飲み物、雨具、双眼鏡、敷物
参加費 200円


2010年 4月の活動 上野公園から谷中へ 雨天実施

不忍池で北へ帰るカモを見送り、上野の斜面でオドリコソウの花を見て、八重桜や葉桜の下を歩き、谷中霊園ではスミレ類やニリンソウをたずねます。なお、終了後、小川作業所で通信の発送作業を行います。

集 合 4月11日(日)午前10時 東京メトロ(地下鉄)千代田線湯島駅根津寄り改札口
持ち物 筆記用具、弁当、飲み物、雨具、双眼鏡、敷物
参加費 200円


2009.12.27 不忍池水鳥個体数調査より
年末カウントに8名が参加、池全体では666羽で、昨年(810)よりさらに鳥の数が減少したことが判明しました。給餌を再開した動物園池では146羽で、2000年代になって個体数が増加傾向でしたが、2006年以降やや減少ぎみです。 


2010.01.10 上野公園・不忍池野外観察会より
新春恒例の公開観察会は、冬晴れのなか、22名が参加しました。いつもの旧水路コースをめぐり、不忍池ではカモたちのしぐさをゆっくり観察し、水質の簡易測定を行いました。

12月には見損なったミコアイサのメスも見られました。 

 池の水質はパックテストで調べました。不忍池の3つにわかれているどの池も、CODが6〜7mg/Lで、例年の値と変わりはありませんでした。久々にNO3濃度も測りました。汚いと言われた動物園池の値が1.5mg/Lでしたが、京成上野駅から流している地下水は40mg/Lありました。透明できれいに見える地下水が、汚いというイメージの池の水の30倍近い濃度を持っていて、NO3濃度に限っては池を汚しているということになります。この結果は、以前から観察会が調査してきた結果と変わりなく、特に人為的汚染があるわけではなく、上野台地周辺が地質学的に地下水の高NO3濃度を生んでいるということのようです。


2010.02.21 皇居のお堀と東御苑の観察会より

 快晴の空のもと、21名が参加しました。目当てのミコアイサは、集合時刻の直前までメス1羽がいたのですが、早く来た数名が見られたのみ。馬場先門まえでは、オカヨシガモの群れが見られました。視野に28羽、先の石垣を曲がったところにもいたので、ざっと30〜40羽でしょうか。メスはマガモとの区別が難しそうです。

 東御苑の日本庭園では、ヤマガラ、コガラ、コゲラ、ウグイス、ヒヨドリ、シロハラ、シメ、メジロなどが見られ、上空ではノスリがカラスに追われていました。樹上に降りたノスリを、執拗にカラスが追い、とうとうノスリは飛び去りました。ウメの花と香りが程良く、河津桜も見頃でした。以前は必ず見られたオシドリは、今年も1羽も姿を見せませんでした。


しのばず自然観察会より 2010-01 2010.01.10

2010年 2月の活動 お堀と東御苑 雨天中止

 2月の活動は、皇居のお堀と東御苑を巡ります。不忍池でミコアイサを見損なった会員の希望もあり、昨年と同じコースをまわる予定です。二重橋から右手へ時計と反対回りでお堀を半周し、皇居東御苑(旧江戸城天守跡と梅林)に寄る計画です。昨年は、カワアイサには振られ、オシドリは見られませんでしたが、ミコアイサに会えましたが、。また東御苑では、オオタカらしい姿を一瞬垣間見、一方、ジョウビタキをじっくり観察できました。

集 合 2月21日(日)午前10時地下鉄千代田線二重橋駅6番出口の地上(都営三田線大手町駅から地下道がつながっています)
持ち物 筆記用具、双眼鏡、弁当、飲み物、雨具、敷物 、あれば望遠鏡
参加費 200円
(途中、お店はありません、弁当・飲み物は出発点で用意を)


11月の活動 上野公園 木の実さがし より

11月の活動は20名参加で、小春日和というよりポカポカ陽気の中、上野公園で木の実など、秋をさがしました。ハゼの葉が緑と真っ赤のモザイクを見せていました。はぜの実は黒い房、イイギリは赤い房、ギンナンの肌色のボール、ナツミカンは黄緑色、アオギリは莢が開いた船の上に小さな丸い実、ヒトツバタゴ(ハガキの木)の小さな赤い実、地面に落ちた黄緑のカヤの実は皮をむくと黄色い肌のタネ、ユリノキの落ちた房をばらすと、小さなナイフのような翼の実、ニセアカシアは緑の豆の莢、モミジバフウはプラタナスに似たボールが釣り下がっているが、よく見ると硬いツノがいっぱい。この日、シイの実をはじめて食べた人もいました。


2009.12.27 不忍池水鳥個体数調査結果

年末カウントの結果、池全体では昨年よりさらに鳥の数が減少したことが判明しました。給餌を再開した動物園池では、個体数が増加傾向です。
 
オナガガモ   195羽(♂781♀124)        カワウ        25
カルガモ       5                   コサギ         4
マガモ        4   (♂1、♀3)        アオサギ         2
ハシビロガモ    17   (♂7、♀10)      ゴイサギ        20 
ホシハジロ    20   (♂12、♀8)         
キンクロハジロ  419   (♂336、♀83)        オオセグロカモメ   5
ヒドリガモ       5   (♂3、♀2)            ユリカモメ      166
ミコアイサ        1  (♂0、♀1)             ウミネコ      6
 カモ類合計   666羽             バン            6
                          オオバン       10 
番外 オオタカ   1(上空)                 ハクセキレイ     1



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