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上野公園情報

このページは上野公園に関する情報を発信しています。

  • 都市公園法改正案2017.02閣議決定 以下の上野公園新構想(開発)を保証する内容! 公園施設に飲食店を追加、貸し出しを10年から30年に延長! どこかの学校建設や新国立競技場建設と同様、責任の所在を明らかにしないまま開発利権ばかりが独走する危険が大。
  • 上野公園の樹木が次々と切られています。〜2016 動物園西園、弁天堂前に続いて、動物園正門前の樹木が公園整備の名のもとに切られました。JR上野駅公園口前の樹木にも「整備のため撤去」の掲示が出ましたが、上野公園の樹を守る会の署名と要請行動により、とリあえず2016年内の撤去は保留になりました。 
  • 上野公園の開発計画再燃!  自然と歴史環境、憩いのアメニティ空間の危機 2015年  「上野の杜新構想」のねらいは・・・?
  • 中間報告(2014.12パブコメ対象)の要点と問題点
  • その後 反対や懸念の声を無視して、責任の所在も明らかにならないまま、計画は進んでいるようです。
 

上野公園の開発計画再燃!  自然と歴史環境、憩いのアメニティ空間の危機
 上野公園の開発計画が再燃しました。すでに10年近く前、雨に濡れないで行けるようにと上野駅公園口から上野動物園ま で地下道を掘るとか、上野駅から鶯谷駅までの線路上にふたを掛けてギャラリー群を建設するなどの開発案が無責任に宣伝されました。 これには、地下道から 動物園内に出たあとどうするのかねえと笑い話になり、一時、話は下火になっていました。

 今回は文化庁が上野の杜から世界への文化発信という名目で進め、1年ほど前に検討会が発足したと文化庁のHPに書いてあります。 そこでメンバー非公開の作業グループが発足、第2回検討会に以前の開発案を拡張したものが提出されました。

 今回の計画では、上野動物園のモノレールを上野公園全体に拡張するとか、地下道は通路どころか地下街にする、現在禁止されている公園内の車乗り入れに対し、文化施設間をつなぐ交通輸送手段を整備するというようなことも盛り込まれています。

 モノレール延長は、25年ほど前に不忍池地下駐車場建設計画が発覚した折、地域の有力議員さんがしのばず自然観察会の小川代表に、「後援会の人たちが勇 み足で考えたことで、申し訳ない」と言って撤回させた経緯があり、数年前にも東京都が延長は不可と結論したと報道されたものですが、何が何でもやりたい人 がいるのでしょうか?

 計画では、駅前にとどまらず、不忍池も含めて上野公園全体を開発する意向が示されています。上野公園では、明治維新以来の開発志向のため、歴史性がない がしろにされ、残された自然空間もどんどん減少しています。心が落ち着く、安心感があるとして多くの人から支持されているのが神社仏閣の境内であり、静け さ、自然性、歴史性を備え、安心できる空間が上野公園のアメニティであり、これは喧噪の東京砂漠とは対極にあるという研究成果も出されています。

 責任の所在も示さず進められようとしている上野公園の開発計画について、文化庁と東京芸大はパブリックコメントを1月16日期限で受け付けているそうです。

詳細は下記、文化庁ホームページで。  下記文化庁HPはその後、削除(移転)されています。

http://www.bunka.go.jp/bunkashingikai/kondankaitou/bunkanomori/iken_bosyu.html 

中間報告(2014.12パブコメ対象)の要点と問題点
 なお、この計画(新構想)案の要点整理とコメントを以下に掲載します。

       中間報告の要点と問題点         ( )内は要約者による注 
イタリックは問題点

上野「文化の杜」新構想推進会議ワーキンググループ 中間報告上野「文化の杜」新構想
 〜2020年オリンピック・パラリンピック東京大会 日本の顔を世界に〜

 はじめに(中間報告の経緯)
 ・2020年東京オリンピック・パラリンピックは新しい日本の創造の契機 ・多彩な文化プログラムの展開で、世界の文化交流の拠点となる
 ・下村文部科学大臣が成果の指標として、美術館・博物館・音楽ホール等の「上野の杜」来訪者数を3000万と指示
 ・これを受けて3000万人集客の整備方策をたてるため、宮田芸大学長・青柳文化庁長官を発起人として「上野「文化の杜」新構想推進会議」を発足させた
 ・機動的・実質的な議論を行うワーキンググループがつくられ、2020年に向けた国際発信戦略として、上野「文化の杜」新構想をとりまとめた

ワーキンググループは、施設および周辺の業界にのみヒアリング ここに国や施設の姿勢が象徴されている そもそも国民的合意など視野にない 独立行政法人である各施設が、いかに監督官庁である文部科学省の意向に沿うかばかり

 第1章 現状と課題
 1.上野「文化の杜」の歴史
 ・江戸〜上野戦争〜ボードウィンの逸話〜公園制定〜博覧会〜恩賜公園〜文化・教育施設の高度集積は他国都市と比較して遜色ない  ・西洋美術館をル・コルビュジェの世界文化遺産登録の動き
 ・今後、周辺地域とのつながりと文化・教育施設や文化遺産の利活用で、文化資源価値の向上、新たな中核施設の整備による文化芸術都市形成が可能  ・各文化・教育施設が使命と目標に基づく創造発信機能強化と連携強化が必要

・ボードウィンの提言は、建物を建てずに良好な景観を保存することだったが、これを無視した計画になっている・枕詞だけの自然や歴史、後に書いてあることが正反対
・「杜」の意味を知らない 杜は宗教上の用語、森は植物の用語 


 2.上野「文化の杜」の総合的な整備・発信の必要性
 ・上野の文化・教育施設への来訪者はH24年度1300万人  ・各施設が点として利用されている これを面的利用に  ・施設以外の来訪者、周辺地区への来訪者を合わせれば2000万人を超えるから、3000万人集客は可能  ・東京都による上野公園グランドデザインを踏まえた整備はあるが、文化・教育施設との連携に欠ける

・そもそも国立各施設は、都立公園に含まれず、公園の規制を受けず、一方、東京国立博物館前のケヤキ樹群を切れと公園機能を損なう要求をしてきたのが歴史的現実

3.世界最高水準の文化芸術都市と安全・安心な街へ

・2020年東京オリンピック・パラリンピックを契機にアクセス環境や周遊ルート整備を ・3000万人を集客する世界最高水準の文化芸術都市にするため、各施設が全体としてのイベントや環境づくりのためのマネジメント組織と核となる施設整備が必要
 ・検討に際し、高齢者、障がい者が利用しやすい建物整備、子どもたちが芸術にふれあい、常にときめく新たなにぎわいを作り出すことが重要

オリンピック・パラリンピックをだしに 
・国際的シンボルと期待しているのは当人(文化施設)だろう。自作自演の「必要性」  
・文化施設の評価基準を集客人数にしているのが、そもそもの間違い
 
・下村文科大臣が掲げた「上野の杜」施設の来訪者人数3000万が至上命令 各施設(独立行政法人)の宿命
・3000万人集めて、上野の自然と歴史、地域のアメニティ空間を食いつぶす計画
・夜道が暗いといって、20年前に榮久庵憲司がシンポジウムでぶちあげ参加者から一笑に付された「不夜城」構想を引っ張り出そうとしている 「かつていろいろな計画が出されたが実現していない」という表現に、業界の本音が現れている
・都の公園改造による竹の台のカフェの評判は必ずしも良いとは言えない・公園内に食堂が少ないことを問題にしているが、だからこそ、上野の町の店が潤っている これを寡占したい輩がいるか、あるいは独立行政法人である文化施設の収入にしたいのだろう
・外国人・高齢者・障がい者をだしにするな! 付けたりに書いているだけ
 
・外国人客を呼びたい なら、真の国際化である地域性の重視を 上野が持つ自然と歴史性こそ、よそにはない魅力である 外国人もそう言っている
・子どもたちがときめくことと町の賑わいとは関係するのか? 無関係でしょ
・景観に配慮しつつと一言書きながら、具体的言及は全くない あるのは壊すことばかり 
 

第2章 文化芸術資源の活用に向けた取組の推進 
1.魅力あるイベント等の共同開催
 (1)年間を通じた集客拡充を図るための「共通イベントや文化プログラム等の実施」
上野にとどまらない、国内外の芸術家たちを集める 世界の人々を集めるイベントの共同開催

一極集中化をはかることは21世紀にやめるはずではなかったか 

 (2)観光客等の利便性(集客)を高めるための「共通入館券の発行等」
 ・ICカード活用、他の商品利用などとまとめて利用させる  

・共通券で不要なものまで買わされる・ICカードは、利用状況をデジタルデータで把握できる 利用者のためでなく、利用者管理による売り上げアップの手段  

2.グローバル化を先導するための「効果的な広報戦略の展開」 
・施設共通HP、全国の人が集まる場所での共通広告、国内旅行社の活用、外国ガイドブックへの掲載による外国人観光客の呼び込み

3.国立西洋美術館の世界遺産登録の推進
・本構想に対するソフト面からの大きなインパクト  

世界文化遺産の保全について、全く言及がない これが美術館の本音とは思いたくないが  

4.安全・安心で入場、観覧出来るための「バリアフリー化の推進と利用促進」 
・多言語案内表示と統一デザイン 
・空港・主要駅から上野駅への直行バス、アクセスの容易化・単純化・多様化 
・公園内段差解消用エレベーター、障がい者用駐車場、バリアフリー化 
・多種・多国籍飲食機能の施設  

空港・主要駅から上野駅へのアクセスについては、基本的にはJRまたは京成電鉄の内部問題 上野駅に直通バスが来ても何の意味があるのか? 誰がどこで運営するのか 駅前にバスロータリー(ターミナル)を造るのか? 
・エレベーターは東側(上野駅側)には改装した商業施設内に既にある 残る西側(不忍池側)の自然と歴史遺産がある場所に新たな商業施設を造りたいのか 


5.上野「文化の杜」を担うための「職員の資質向上と高度専門人材育成(連携型)」各施設間
の人事交流

・芸大を核に学芸員養成システムによるアートマネジメント人材と博物館学芸員育成  

こんな計画を批判できる・発想しない人材の育成こそ必要 

 6.上野「文化の杜」新構想の実現可能性を広げるための「文化特区の可能性」
・ ハード・ソフトの基盤整備と規制の見直し
・3000万人を迎える国際遊学都市として、アクセス改善、滞留場所の提供、宿泊施設の充実 ・情報サービスの向上と案内場所の増設
・夜間利用の拡大
・高齢者・子どもたち・障がい者・外国人観光客の利便性:具体的にはWiFiと多言語化のみ記載
・積極的民間開放 ・これらのために、規制の柔軟な運用:広告制限緩和
・道路スペースの使用・営業行為・建ぺい率・容積率・高さ制限についての特区整備  

ここで本音が露呈 利権の創造構築、ホテル建設(上野駅前の旅館と競合)、建築物の規制緩和、都立公園での営業規制の解除をねらう  

第3章 国際文化交流の拠点と新たな賑わいづくりに向けた基盤整備 
1.快適なアクセスの確保
 (1)安全・安心で快適なアクセス・ポイントにするための「JR上野駅周辺の整備」 
・JR上野駅公園口:前の道路が邪魔 改札をずらして公園路と一体化 ロータリー化または一部地下化 改札階上にフードコート設置とオープンデッキにして雨天にも使えるよう 
・京成上野駅・地下鉄上野駅:公園(特に西郷銅像あたりとの)とのバリアフリー化のためのエレベーター JR上野駅とのアクセス拡大  

上野動物園までの道路は現在でもほぼ直線 邪魔だとすれば東京文化会館の存在 ロータリーは交通事情の改善にならない 地下化は工事中の不便への対応が未検討 
・西郷銅像あたりとのバリアフリー化エレベーターはすでにある 宣伝していないだけ
・3駅のアクセス地下道は、営業施設を入れないことで歴史的に健全化してきた
 
・上野公園の魅力を満喫するには、駅や施設と施設とを結ぶ直線路がネック 歴史性を残す路を保存して学習に生かす事こそ大切
 

(2)公園内の移動や他地域との回遊性を高めるための「アクセス環境の整備」
・上野動物園のモノレールを街に延伸
・上野公園内外を結ぶ巡回バス パークトレイン等 ・芸大前交差点(京成旧博物館動物園駅周辺)の賑わい拠点化と駅舎の活用 ・東京国立博物館南東角をバス駐車場にする ・都道92号線(東京国立博物館や芸大前の道路)の改善 ・地下道化やモノレールの延伸や地下空間の開発には各施設や鉄道への配慮、自然(地下水・景観)への影響配慮が必要で、地域住民との十分かつ慎重な協議が必要   

いよいよ本音の部分:
・モノレール延伸は、25年ほど前に不忍池地下駐車場建設計画が発覚した折、地域の有力議員さんがしのばず自然観察会の小川代表に、「後援会の人たちが勇み足で考えたことで、申し訳ない」と言って撤回させた経緯があり、数年前にも東京都が延長は不可と結論したと報道されたもの

・芸大前交差点(京成旧博物館動物園駅周辺)前の旧奏楽堂前は、上野公園で唯一、お弁当を緑陰で腰かけて食べられる公園空間 ここを取り上げようというのか
・都道92号線は歩道が両側にあるが、「歩道共存道路」とは、歩行者天国のようなものだろうか? 基本的に、この道路は廃止が地域の願い
・地域住民にはかるべきは、モノレールと地下水だけではない。公園のあり方そのものがかえられようとしている
  

2.展示スペースや共同利用施設の整備  (1)3000万人の集客を実現するための、「展示スペースの充実」
・京成旧博物館動物園駅舎、日本学士院、社会教育実践研究センターなどでの展示、開発全体を通した新たな展示スペースづくり 
 (2)限られた資産を有効活用するための「共同利用施設や地下スペースの整備」
・施設共同利用施設推進のため、来館者にホテル、託児所、大規模休憩スペースを共同で整備
・ JR上野駅、国立西洋美術館、国立科学博物館、東京国立博物館、上野動物園、東京都美術館、芸大を結ぶ地下スペースを造り、そこに民活でカフェ、レストランなどのモールを入れる


第1項が意味不明 この際作ってしまおうと言うものを羅列している
・地下モールこそ、本計画の目玉 雨の日でも快適との口実で、地下開発と営業場所と利権を導入したい
 

3.安全性の確保と地域防災に貢献するための「防災拠点等の整備」
・公園内の街灯、防犯カメラの増設、自主的パトロールの実施による安全アッピール
・災害時の必要物資・電源整備と簡易緊急医療施設設置
・災害時の施設開放・帰宅困難者受け入れ リスクマネジメントの一環として上野公園全体の防災訓練を検討  

上野公園は地域住民の災害時の避難地になっている これを阻害する開発計画であり、その上に、3000万人を見殺しにするのか? そもそも集客ばかり考えているので、来園者の災害時の対策は不可能 

4.上野全体の街づくりを活性化するための「エリア・マネジメントの推進及びアート・クロスの整備」
・上野地区全体の活性化に向け、エリア・マップ等のアイデアを ・エリア・マネジメントをはかり、不忍池周辺の文化利用を整備
・芸大前交差点の整備と国際芸術リソースセンター設置を進める ・東京国立博物館では地下収蔵庫計画
・他の施設を結ぶユニークアベニュー  

拠点がない不忍池にも進出しようとしている
・施設系でない、個人やグループの文化活動には全く無関心無配慮
・地下の利用を推進
 

第4章 新構想の実現に向けて
・本構想実現に向け、制度・予算の可能性の検証、オリジナリティを打ち出すアクションプランが必要
・大胆な将来への投資を行う政策と政治的決断を求める  

住民のこと、合意形成は全く考えていない
・政治的に進めることを明記
・公園の意識が全くない 


上野「文化の杜」新構想推進会議ワーキンググループ検討経過

 9回の会議のうち、1回はフリートーキング、1回は各施設からの課題・提案、4回は業界や施設・コンサルタントへのヒアリング、3回が中間報告作成  

ヒアリング対象は業界団体と都の施設とコンサルのみ 公園の特質や利用など全く視野にない

上野「文化の杜」新構想推進会議ワーキンググループ委員名簿 
座長は芸大理事、ほかに理事は芸大1名、文部科学省2名、3つの国立文化施設から各1名、2つの都立の文化施設から各1名、上野公園内にある民間文化施設より1名、東京都生活文化局及び建設局より各1名、台東区文化観光産業部より1名の計13名で構成 オブザーバーに、JR東日本より2名、
上野観光連盟より1名 

このメンバーを見れば、大方の委員が上野公園の知識がないのは納得!
・利益代表と行政上の役職でのお付き合いか


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パブコメ以後・・・

このパブコメに対して出された意見集が2015年1月に芸大で行われたシンポジウムで配布されました。「原文通り」と記されていましたが、本会代表からの意見は、3分の2が削除されていました。その後、意見の取り扱いはもとより、情報の公開周知もないまま、責任の所在も明らかにしないまま、開発計画は進んでいるようです。

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